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​可変施肥

| ​取組概要

・可変散布及びUAVスポット散布による生育不均一性の改善及び肥料投下量15%削減。

| ​達成状況

・5/13に沼田町桝田農場秋小麦圃場にてスポット散布を実施。

・スポット散布による資材投下量は5.0kg/10a、散布面積31.5aで15.75kgの散布量であった。

・圃場面積165aでの一様散布とした場合、資材散布量は82.5kgとなり、スポット散布による資材削減量は81%となった。

・秋小麦の基肥1回、追肥3回の内、追肥1回をスポット散布とした場合、秋小麦圃場における資材削減量は20%となる。

・7/21~22に自動アシストコンバインにて刈取作業を実施した結果では、スポット散布をした圃場の収量は346kg/10aであり、慣行圃場では395.6kg/10aとなった。

・なお、製品出荷時の計測では、スポット散布をした圃場で収量442kg/10a、歩留まり95.5%、慣行圃場では収量448kg/10a、歩留まり89.0%であり、ムラ改善、品質向上の効果があったと考えられる。

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​施工区 スポット散布前(5/13撮影)

​施工区 スポット散布後(7/6撮影)

収量マップ​

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​慣行区 スポット散布前(5/13撮影)

​慣行区 スポット散布後(7/6撮影)

収量マップ​

| ​次年度計画案

・UAVによるスポット散布と共に当別町ではブロキャスを利用した可変散布の実施を行う。

・慣行区では肥料については、一様散布を行い、投入資材量の変化を把握する。

・可変散布による不均一性改善、歩留り率向上効果を把握するため自動アシストコンバインによる収量、品質情報の取得及び現地坪刈調査を実施する。

・UAVセンシングを外注により実施したとの前提での経営効果試算を検討するため、作業時間を記録・集計する。

| ​2024年度達成状況

・5/18に大塚農場の小麦圃場にて可変施肥を実施。植生活性度(NDVI)データについては、強風によりUAVセンシングが出来なかったため、衛星リモセンデータ配信サービスより、データを取得し、生育状況に応じて投下資材量を設定した可変施肥マップを作成した。

・慣行における一様散布の標準施肥量20kg/10aに対し、圃場45では9.3%、圃場46では30.4%の資材量削減となり、2圃場平均で19.9%の削減となった。

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図2-11 可変施肥における一様散布標準施肥量からの資材削減割合

・可変施肥後の圃場収量について、コンバインによる圃場毎の収量情報から、圃場45では463.7kg/10a、圃場46では430.6kg/10aとなり、平均収量は447.15kg/10aとなった。

・慣行圃場での平均収量は、474.05kg/10aであったことから、収量については、約5.7%の減収となった。

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図2-12 慣行圃場と可変施肥実施圃場の平均収量比較

・可変施肥実施圃場について、資材1袋20kgで2,000円とした場合、397円/10aの削減となり、収入は販売単価50円/kgとした場合、慣行収量との差分から利益は948円/10aの減少となる。

表2-13 可変施肥実績(資材量及び費用削減)

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表2-14 可変施肥実績(収量及び収益増減)

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・収量減収の要因としては、散布量を多くした箇所での収量が他の箇所よりも収量が低いことから可変施肥での施肥効果が出ていないことが考えられる(図2-13、図2-14)。

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図2-13 可変施肥マップ

図2-14 収量マップ

・可変施肥後のRGB画像を確認すると、当該箇所は他の部分に比べ、植被が少ないと考えられる(図2-15)。

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図2-15 可変施肥における施肥量が多い箇所のRGB画像(5/23撮影)

・植生活性度(NDVI)マップ(図2-16)を見ると、該当箇所は可変施肥後から収穫前画像でのNDVI値が低いままであり、作物の生育不良ではなく植被が少ないことが可変施肥マップ作成時のNDVI値が低い要因になっていたと考えられる。そのため、肥料の施肥量を増やしても生育が改善されることはなく、結果、植生が薄い部分での収量が減少したため、慣行収量よりも減収となったと考えられる。

 

・生産者からは、畔の漏水が発生したため、発芽率が低くなったことが原因と考えられるとの意見が出た。

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図2-16 植生活性度(NDVI)マップによる生育状況確認

| ​その他報告事項

・ロボットトラクタにおいて昨年度沼田町、深川市での実証時に多発していた補正情報受信(ホクレンNtrip)エラーについては、本年度実証中ではほぼ生じなかった。

・UAV防除において、本年度はDJI T30を全地域で運用し、利用面積の拡大につながった。

表2-15 各地域で利用されている補正情報受信方法と利用するスマート農機

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| ​今後の課題

・ロボットトラクタの走行経路は、圃場形状により自動的に生成されるため、変形圃場での動きに無駄が生じる場合がある。そのため、効率的に走行するための作業設定や変形圃場での運用方法など利用にあたっての情報提供を行っていく必要があると考える。

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