R4年度採択「スマート農業実証プロジェクト(スマート農業産地形成実証)」
本実証課題は、農林水産省「スマート農業実証プロジェクト」
(事業主体:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)の支援により実施されました。
実証実験を実施する背景及び課題
Theme
近年の米価の大幅下落による農家所得への打撃を回避するため、生産費の削減による利益確保、高収益作物の導入が必須となっている。
スマート農業機械は個人では導入負担が大きく、複数生産者間での共用では作業時期が突合する。可変施肥に人工衛星のデータを用いる場合、曇天時では利用できないこと、UAVを用いる場合でも従来型の回転翼型では面積拡大による運用コスト削減が難しい。肥料散布においても、UAVによるスポット散布を組み合わせて利用する要望がある。
米価下落に対しては、タンパク値の高低に応じた分別収穫により単位面積当たりの販売額を向上させたいという要望があり、従来にない情報提供のニーズが高まっているが、現状このようなサービス提供がないという課題となっている。
達成目標
goal
①気象情報に基づくスケジューリングによる機器の共有により、個別導入に比し50%の機械経費削減。
②機器の時期別シェアリングにより、対象作物作業の労働費の20%の削減。
③可変散布及びUAVスポット散布による生育不均一性の改善及び肥料投下量15%削減。
④上記個別技術導入の効果に加えて、単位面積当たりの収量向上、タンパク値別収穫による販売額の増加により、農家収益20%の向上。
導入技術・実証内容
content
気象観測機器
①シェアリング/UAV計測スケジュール立案
②積算気温と生育ステージの相関を開示
01
ロボットトラクタ
①対象作物作業(耕起・整地、収穫、防除)の労働費の削減
②稼働時間、労働時間削減効果から利用料金を設定
02
防除・スポット散布UAV
①慣行作業と比較し防除時間削減効果と
地域間シェアリング及び作業人件費の試算
②スポット散布による生育不均一性の改善
03
自動アシストコンバイン
①労働力削減に向けた実証
②稼働時間、労働時間削減効果から利用料金設定
③生育不均一性の改善及び収量向上効果の把握及び
タンパク値の取得
04
センシングUAV
①生育不均一性の改善及び収量向上に必要な情報を計測
②気象観測情報を基としたスケジューリングに
基づきシェアリングを実施